西船橋STUDIO SUN Anniversary 30 アルバム解説!

レコーディングエンジニア伊東英州によるアレコレ

14.孤独な世界 / Inscrib

アルバムの最後を飾るのは、『Inscrib』というトリオバンド。

メンバーによると‟ Inscrib “という単語には、‟ 歌を届ける “ という意味があるらしい。
楽曲は正に、今回のアルバムのエンディングに相応しいものになった。

叙情的な作風に理由があるとすれば、タツ君が弾き語りで活動をしていたところによるものが大きいと思う。
弾き語りと言っても、昨今のおしゃれなアコースティック系とはまた違う、いわゆる伝統的なフォーク系である。
過去にレコーディングした楽曲も、一貫して同じ方向をメンバーは見ている。

 

核となる詩やメロディにストレートに絡む てっぺい君とTakaya君によるリズム隊。
このクソ真面目なリズム隊に、タツ君の世界感が絡むと『Inscrib』というバンドになるのだ。

『Inscrib』では、過去にレコーディングした楽曲が、某FM曲のテーマとして使われていた。
タツ君は、某有名ミュージシャンのスタッフとして活躍する一方、ゲーム音楽などでもシンガーとしても活動中。

作風とは反対に、メンバーの性格はとてもフランクで会えば笑いが尽きない。
そんな間柄になってからは、メンバーには録音だけでなく細かいアレンジや、歌の表情についても意見交換させてもらっている。


この楽曲制作が終わった後も、レコーディングが少しづつ進んでおり、
そこで録音されたマテリアルは、より素晴らしい楽曲の数々である。
乞うご期待!

 

・『Inscrib』公式HP

http://inscribofficial.web.fc2.com/

 

【オムニバスアルバム・トレーラー】
https://youtu.be/LtGOs0R5InU 

13.farewell / nagisa

歌とギター、作曲アレンジを担当するリーダーの杉山君。

2年前にアルバムを録音させてもらったことがきっかけで今回のアルバムに参加してもらった。

当時、10曲を超える楽曲デモを聴かせてもらった中にこの収録曲があった。

とにかくどの曲もメロディセンスがいい!というのが第一印象。

正に原石の輝きをそのデモから感じた。どんなに激しい曲でも優しくて甘い。

それが杉山君の持ち味なのだ。

 

ファーストテイクは、最初のアルバム制作の中で進められたが、途中まで録音が進んだ後、オクラ入り。

本作のために新たにレコーディングし直したのが本テイクである。

 

残念ながら現在は、リズムセクション2名が他のメンバーに変わったらしい。

でも杉山君には、より素晴らしい楽曲を作り続けて欲しいと思う。

自分にとってnagisaと言うバンドはとても期待のアーティストであり、杉山君は期待のコンポーザーなのです。

 

ご参加、ありがとうございました!

 

 

【オムニバスアルバム・トレーラー】
https://youtu.be/LtGOs0R5InU

12.Please tell me... / yusuke mizushima

某大学バンドの大学卒業記念アルバムの制作依頼を受けたのが、そもそもの
yusuke
君との出会い。
そのバンドのコンポーザー、ボーカル、ギターを担当していたのが、yusuke君だった。

大学を卒業した後でも、そのメンバーとは、交流が続いた。
そんなあるとき、yusuke君に何曲かのデモを聴かせてもらった。
その音源の数々は、音質こそ良くはなかったが、制作者の熱い気持ちに
満ちあふれた作品でいっぱいだった。
その中に、このアルバムに収録された曲の元バージョンが存在したのである。

このデモ曲のドラムは、ドラム音源に差し替え、yusuke君と二人でフレーズを
構築していった。
それ以外のパート、ギター、ベース、ボーカルは、yusuke君による テイクである。

歌入れが、進む録音の最終段階。実は歌詞が元々英詩によるもの。
英詩に問題はないのだが、より多くの方に聴いてもらいたい観点から、日本語への差換えを提言した。その場で日本語詩を作り出したyusuke君。
ものの数十分で日本語バージョンに変身!試しに歌入れしてみると…いいじゃない!

その後、全体の構成も見直しながら完成させたのが、
このメロディアスでどこか懐かしい「Please tell me…」なのである。

今回は、yusuke君に忙しい中、時間を裂いてもらってジャケットのデザインをお願いした。
細かいところまで、突っ込ませてもらって、完成させたジャケットデザイン。
本当にありがとう!

 

 

【オムニバスアルバム・トレーラー】
https://youtu.be/LtGOs0R5InU

11.くちづけの嵐 / BA-TSU

元々自分は、PAエンジニアであったのだが、駆け出しの頃から仲良くさせてもらっていたのが、 この歴史の長い『BA-TSU』さん。

 

積雪でレコーディグが延びたりと、毎回いろいろなエピソードがある。

今回は、レコーディングが、決まってから全くスタジオに来ないのである。

なんとドラムスの砂ちゃんが、左足首を骨折! ハイハットが、踏めない! しばらくして状態を見ながら、リハを再開。

昔からの仲なのでスタジオにも何度かお邪魔しながら、いろいろなアレンジを試してみた。 と言うのも、この収録曲は、かなり昔からある曲で、若干のリメイクを施した作品にしたかったからだ。

 

足はレコーディング当日も万全ではなかったにも関わらず、録音スタート。

結果、それを感じさせないテイクが録れて一安心。

耳に残るのは荒削りなギターリフと詩の中にある一説「24時間戦えますか?」 毎回ベースの山田君は、曲全体のイメージを僕に説明する。 言わばバンドのプロデュース役。

ギター録りでは、二人の音色含め、コンビネーションを考えながら進める。 ボーカルの三沢君は、いつでもライブなノリ。 録音でもミックスでも、このバンドは、まるで家族のよう。 そんなバンドと言う「家族」の中にお邪魔して、毎回言いたいこと言わせてもらってます!

 

リハでもレコーディングでも、お構いなしに自分にお酒を勧めるスタジオサンで唯一のバンド『BA-TSU』。 御馳走様です!

これからも、ずっと常連でいて欲しいです!

ご参加、ありがとうございました!!

 

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【オムニバスアルバム・トレーラー】
https://youtu.be/LtGOs0R5InU

10.Transparency / Permil

『Permil』

・佐藤渉

・三本木大輔

 

今回収録の楽曲の中での唯一のインストルメンタルナンバー。

メンバーは、ギター講師でもあり、作曲家、プロデューサーでもあるギタリストの三本木氏と、某有名楽団でテレビ出演も何度かありサックス講師も務めるサックス奏者の佐藤氏とのユニット。

 

以前、3曲入りのCD音源を録音させてもらった縁で、今回、参加していただいた。 

疾走感のあるメロディにギターとサックスが絡みまくり!なのである。

(今回は、ロックバンド中心の企画に合わせてビートを効かせた曲を書き下ろしてくれました。ありがとうございます!)

 

以前録音させてもらったミニアルバム同様、録音のときには、次から次へと湧き出るアドリブの数々に自分は拍手喝采!

J POPオンリーの若い世代の方にも年配の辛口音楽ファンにも是非とも聴いてもらいたい、インストナンバーなのである。

 

 

【オムニバスアルバム・トレーラー】
https://youtu.be/LtGOs0R5InU

09.HEY ミスターバーボン / SCRAMBLE EGGS

この曲を一度聴いて、感じる残像は何だろうか?
古き良き時代、昭和。 正に、昭和なロック。
例えるならば
、デジタル化された映像ではなく、少しボケたブラウン管やあの当時のフィルムの映画。
モノラルラジオ、カセットテープ…そうこの曲、できればアナログレコードでお聴かせしたいくらいの曲なのである。

昨今のトリオ編成のロックバンドとは、明らかにこの時代は発想が違うんだよな。

シャウトに近いボーカルスタイル。
そのボーカルの土岐さんが、弾く裸同然のベースライン。
オーバーダビングなし、Fenderのアンプを少しドライブさせたギターの音色。
文句あるか!と言われてるようなリズムを奏でるドラムス。

お代官様、逃げも隠れもいたしません…と言うような潔い演奏。
なので、録音方法もノークリックの一発録り!
そのままの形でできるだけカッコ良く聴こえるようにミックスしてみた。

詩の世界は、まるで昭和のダメ男の見本のようなのだ。
「ギャンブルで散財」ではなく「競馬でスッテンテン」なんだ!
発泡酒ノンアルコールビールじゃない、バーボンなんだ!

その時代を知ってる方にも知らない世代の方にも是非、
タイムスリップして楽しんでて欲しい1曲なのだ。

こんなバンドさんを収録できるなんて、さすが30周年のスタジオサン!(自分で言ってます)
メンバーの皆さん、ご参加ありがとうございました!

 

 

【オムニバスアルバム・トレーラー】
https://youtu.be/LtGOs0R5InU

08.工事現場 / 大谷のスワンダイブ

【大谷のスワンダイブ】

Vocal.吉田
Guitar.
チャー
Bass.
コル
Drums.
マッツン(この作品で叩いています)

現在のDrums 橋本


千葉を中心に活動する大谷のスワンダイブ。

バンド名を聴いてわかる方は、プロレス好きですね。
僕もプロレス大好きです!

リーダーの吉田君は相変わらずのスタイルでその昔は、アントニオ猪木のモノマネを
ある曲中に挿入してレコーディング中に大爆笑をさせてもらった。

サウンドはミクスチャー的、いわばレッチリ的である。

大きなノリのマッツン君のドラムに、コル君のイケイケベース。
チャー君のギターはとても骨太で曲にフィットしている。

その演奏の上に吉田君が演出する工事の騒音で怒る男の心情が歌われている。

「8時ってなんだよ!堪忍袋の尾が切れるっちゃ~」

正に「ロープ最上段から怒りの 吉田節炸裂!」なのである。
この怒る男の心情を歌う吉田君の歌声が、なんとも普通のあんちゃん的でこの曲にピッタリ。

そんなマッチングが、この「大谷のスワンダイブ」の持ち味なのである。

この曲は、なんとかメンバーの呼吸感を残しながら録音できないかと、レコーディング前から
スタジオにお邪魔させてもらって、演奏を聴きながら、あれこれプランを練った。
その甲斐あってか、録音中は、メンバーひとりひとりが、純粋に音楽を楽しんでいてとてもいい雰囲気。

大谷のスワンダイブは、音源はもちろん、ライブでも楽しんでもらいたいバンドのひとつなのである。

 

 

【オムニバスアルバム・トレーラー】
https://youtu.be/LtGOs0R5InU